雲居 残月 の 小説道場

主に「小説家になろう」で書いた話を中心に、小説投稿をおこなっていきます。

2.全体企画 -『三つ編み眼鏡ネットスラング:創作ノート』

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 今回は、「部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ」(以下、三つ編み眼鏡ネットスラング)の、「全体企画」について書きます。

■ 部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ
http://ncode.syosetu.com/n9324by/

「三つ編み眼鏡ネットスラング」は、「小説家になろう」で書いた2本目の連載になります。

 前作の「竜と、部活と、霊の騎士」は、全60話の長編連載です。こちらは、40話ぐらい書いた時点で、どうにも読者数が伸びず困りました。というか、お気に入りが1つしか入りませんでした。えー……。

 そこで、「小説家になろう」の読者層や読者行動を、自分なりに考えて、2作目の企画を立てました。そして、1作目と平行して執筆して、2作目の連載を開始しました。それが「三つ編み眼鏡ネットスラング」になります。

「三つ編み眼鏡ネットスラング」の企画の要点は、以下の通りです。

1. 軽いノリのコメディにする
2. 学園ハーレム物にする
3. 「ブラック・ジャック」のような、1話完結物にする
4. ネットユーザーが喜ぶような、ネタにする

 それぞれについて解説します。




● 1. 軽いノリのコメディにする。

「小説家になろう」では、ライトなコメディー作品が、読者の評価が高いようでした。

 前作は、真面目な感じの伝奇ホラーだったので、「小説家になろう」の傾向を確かめるために、180度方向性を変えました。




● 2. 学園ハーレム物にする

 女の子が可愛くて、ハーレム状態になっている作品が、やっぱり受けがよいと判断しました。

 実際、「小説家になろう」だけでなく、ライトノベル全般で、そういった作品が人気があるようでしたので。

 というわけで、メインヒロイン1人に、サブヒロイン複数の構成にすることを決めました。

 また、「小説家になろう」の読者に、学生が多いということもあり、主人公を中学生に設定しました。

 前作では高校生でしたが、年齢を下げました。「厨二病」というフレーズを使いたかったのもあるのですが、高校生だけでなく、中学生までをターゲットにしたかったからです。

 ただ、ターゲットに関しては、連載中に徐々にシフトしています。「三つ編み眼鏡ネットスラング」の読者は、どうも年齢層が高めな感じですので。

 各話の公開時間と、その後のお気に入りや評価の伸びを、全て記録しているのですが、そのデータをながめていると、年齢が高めのネタの方が、受けがよい感じです。




● 3. 「ブラック・ジャック」のような、1話完結物にする

 これは、1作目でアクセス解析を確認しているうちに気付いたことです。

 新規参入者(初めてその作品を見る人)は、「最新話」か「第1話」を見て、継続して読むかどうかを判断します。

 つまり、「最新話」と「第1話」が、単独でも面白いことが、望ましいということになります。

 この考え方は、1作目を書く時にはありませんでした。でもまあ、考えてみれば当たり前です。初めて来た人が、全話読むわけがありません。短時間で判断するには、「最新話」と「第1話」ということになります。

 そこで2作目の「三つ編み眼鏡ネットスラング」では、この部分を強調した構成にしようとしました。というわけで、手塚治虫の「ブラック・ジャック」のように、1話完結の連作短編物にしたわけです。

 ただし、「青春物」「成長物」としても物語を書きたかったので、「挿話」という形で続き物の話を入れました。そして、1年の時間がゆっくりと流れていく形式にしました。

 この「挿話」の部分は、企画ではなく私のエゴです。物語は、人の変化を描く物である。それを、1話完結の短編連載物であっても描きたい。

 そういった考えから、「挿話」は入っています。




● 4. ネットユーザーが喜ぶような、ネタにする

 3までの時点で、企画の箱の部分はできました。あとは、箱の中身が必要です。読者を誘因するフックの部分です。

 これをしくじると、箱がどれだけよくできていても、箱の中に誰も入ってくれません。

 というわけで、「三つ編み眼鏡ネットスラング」で選んだのは、「ネットスラング」です。

「小説家になろう」を読んでいる時点で、ネットユーザーなわけで、ヘビーにネット文化にはまっている人も多いだろうと思ったわけです。そういった判断で、「ネットスラング」をフックに選びました。

 あとは、このフックで、可能な限り、対象読者を誘因しなければなりません。

 タイトルだけで、どんな内容か分かる長い名前を付けて、あらすじだけで楽しい部分が分かるように工夫して、企画は完成しました。

 また、「用語解説小説」というのは、世の中にあまりありません。そういうのも、差別化になるかなと思いました。

 用語解説自体は慣れているので、連載の破綻もなさそうです。それに、連載のネタにも困らないだろうという予想が立ちます。無理なく、連載を続けていけそうです。

 そういった理由でも、「ネットスラング」を選びました。



 というわけで、全体企画は、以上のような感じでできていきました。

 ただ、「ネットスラング」では、フックとしては、少し弱かったかなと思います。

「異世界転生」「チーレム」ぐらいのフックが必要だろうなと、感想を持っています。