雲居 残月 の 小説道場

主に「小説家になろう」で書いた話を中心に、小説投稿をおこなっていきます。

『小説家になろう』連載1作目完結の反省と対策 その2「アクセス解析で分かったこと」

 前回は、「小説家になろう」連載1作目である「竜と、部活と、霊の騎士」のデータと試み、そして失敗の理由について書きました。

竜と、部活と、霊の騎士

 今回は、失敗の理由で挙げた3つの項目の1番目を掘り下げていきたいと思います。

★1.アクセス数が少ない。
 2.お気に入りや評価がない。
 3.他人の「小説家になろう」の小説を何百本か見て、想定の間違いに気付いた。

■ アクセス数が少ない

 ともかく、アクセス数が少なかったです。「小説家になろう」では、掲載後、新着に載りますが、その新着は、1時間で数ページ分流れます。
 短編では、1時間ぐらいは持ちこたえてくれますが、連載小説だと数ページの速度で流れます。そのため、し烈な椅子取りゲームが生じます。

 具体的に言うと、「既に人気のある作品」か「自分が読みたいジャンルの作品」か「タイトルでちょっと興味を引かれた作品」しか、そもそもクリックされません。
 さらに、クリックしたとしても、あらすじや目次を見て、興味がなければそこで離脱します。

 つまり、「小説家になろう」に小説を掲載する場合は、「小説を書いてから、タイトルとあらすじを書く」のは駄目で、「タイトルを設計して、あらすじを練って、それから作品を書く」ということをしなければなりません。
 ミステリー小説のように、「読み終わって、タイトルの意味が分かって、あっと言う」みたいな構成は失格です。そういった、「企画に対する認識の違い」があることに、掲載を始めてから気が付きました。

 また、アクセス解析を見ていると分かるのですが、読者には2つのパターンがあります。初めてアクセスしてきた「通して読む気のない読者」は、第1話を読むのではなく、最新話を読みます。そこで面白かったら、第1話に戻ります。
 もう1つのパターンは「第1話だけ読もうとする読者」です。そういった人は、第1話を読み、そこで面白ければ最新話を確かめたあと、2話目を読もうとするみたいです。

 つまり、「1話分である程度まとまった内容があり」、かつ「単独で読んでも、それなりに意味が通っていて面白い」ことが望ましいです。そのため、長編を1話ずつ分割した設計ではなく、短編を連続して繋げた構成で設計しなければなりません。
 少なくとも、どの話も1話だけ読んで、それなりに面白さが伝わる設計でなければなりません。

 そういったことが、アクセス数を見ていて、よく分かりました。これらの反省を元に、一から企画を作り直したのが、「部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ」になります

部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ

 こちらは、タイトルで興味を引くようにして、あらすじだけでも話として、ある程度の面白さをもつようにしました。その上で、各話は連作短編物として、ばらばらに読んでも面白いように設計しました。

 こちらは、アクセス数、お気に入り数ともに、「竜と、部活と、霊の騎士」とは違って、それなりの人気を得ることができました。

 ただ、こちらの作品にも、まだ設計上の問題があります。「小説家になろう」というサイトに来る読者にとって、カテゴリーエラーとなっています。さらに、多くの人に読んでもらい、お気に入りをもらうためには、転生物か、VRMMO物を、選択する必要があるでしょう。

アクセス解析について

 初めの頃、全体のアクセス数を一生懸命見ていたのですが、そのアクセス数はほとんど意味がありません。大切なのは、ユニークユーザー数が話別に表示される「話別 アクセス解析」です。
 これを見ると、どれだけ多くの人が「目次ページ」だけ見て直帰しているか分かります。また、1話ずつ見ていった人が、どこで読むのをやめたのかといった離脱状況が分かります。この「ユニークユーザー数」が増えなければ、まったく読まれていないということになります。
 アクセス数が100以上あるのに、「話別 アクセス解析」を見ると、各話の読者が0~1になっていると、ほとんどみんな目次ページで離脱しているということが分かります。

 アクセス解析で、もう1つ役に立つのは、総合アクセス解析の時間帯別の数値です。次話公開やTwitterでの告知など、自分のアクションに対して、どれだけ流入があったのかを確認できます。次話の公開タイミングを検討したり、Twitterでのつぶやきの時間を調整したり、最適化を行うことができます。

■ おまけ

 現在は、第1作目の反省を活かして、下記の第2作目を執筆・連載中です。こちらもご覧いただければと思います。

部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ